2、二大政党制・小党分立制
(1) 二大政党制
イギリス(保守党と労働党)やアメリカ(共和党と民主党)のように2つの大政党が政権獲得を競い合う政党制を二大政党制という。
二大政党制は、単独政権により政局が安定する、政治上の責任の所在が明確である、また有力な反対政党の存在のため独善的にならない、という長所を有する。
一方、政権の長期独占の危険があり、国民の多様な政治意思を十分に吸収し得ないといった短所を有する。
(2) 小党分立制(多党制)
フランスやイタリアのように、有力な3つ以上の政党が議会に議席を持っている場合を一般に小党分立制という。
小党分立制は、国民の多様な意見を比較的政治に反映でき、連立政権によって政策に弾力性ができるといった長所を有する。
一方、連立政権のため政局が不安定になる、政治上の責任の所在が不明確になるといった短所を有する。
(3) 単独政党制
旧ソ連や中国のように強力な一党による政治を単独政党制という。
単独政党制は、政局が安定・長期化する、強力な政治の実現が可能であるといった長所を有する。
一方、政策が固定化し、融通性に欠ける、少数幹部の独裁の危険性があるといった短所を有する。