〔No.55〕

学生AないしHは,期待可能性の判断基準に関し,次の①から③までのいずれかの見解に立ち,後記のように発言している。各発言の( )内に語句群から適切な語句を選んで入れた場合,学生DないしHのうち,学生Aの見解からも支持することが可能な発言をした者は何人いるか。
① 行為の際における具体的事情の下で,行為者に他の行為を期待し得たかどうかを標準とすべきである。
② 行為者の立場に平均人をおいた場合にやはり他の行為を期待し得たかどうかを標準とすべきである。
③ 国家の法秩序を標準とすべきである。
A: B君の立場では,すべてを許すことになり,( )がし緩するのではないか。
B: 法律上どのような場合に期待可能性があるかを論じているのに,C君の立場では,問いをもって問いに答えているにすぎないと思う。
C: 通常人として一般的に無理もない行為は( )が容認し,違法性を阻却するはずだから,A君の立場は( )と( )を混同しているのではないか。
D: 判断基準を期待される側に求めるとしても,( )の概念は不明確であり,期待可能性の判断もあいまいになると思う。
E: 本来,期待可能性の理論が( )の人間性の弱さに対して( )を与えようとの考えから出発していることを忘れてはいけないと思う。
F: ( )に期待し得ても,行為者にとって不可能なことを期待するのでは,期待可能性を検討する実益がなくなると思う。
G: あなたの立場では,およそ( )を処罰できなくなると思う。
H: 期待可能性の判断は,期待される側の事情を標準とすべきであって,期待する側の事情を標準とすべきではないと思う。

【語句群】a 平均人 b 行為者本人 c 確信犯 d 法秩序
e 法的救済f 責任阻却g 違法性阻却

1.1人2.2人3.3人4.4人5.5人