短期取得時効と即時取得に関する次のアからカまでの学生の解答のうち,正しいものを組み合〔No.26〕
わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
教授民法第162条第2項に「10年間所有ノ意思ヲ以テ平穏且公然ニ他人ノ不動産ヲ占有シタル者
カ」と規定されていますが,この点についてはどのように考えていますか。
学生ア動産については即時取得の規定がありますので,短期取得時効の規定は必要ではありません
が,不動産については即時取得の規定の適用がありませんので,民法第162条第2項が規定
されたのです。したがって,短期取得時効の規定は,動産については適用ないし類推適用され
ません。
教授取得できる権利の内容についてはどのように考えていますか。
学生イ短期取得時効でも即時取得でも,所有権以外の権利の取得も可能です。
教授無過失の要件についてはどのように考えていますか。
学生ウ短期取得時効では,目的物を所有の意思をもって善意・平穏・公然に占有を開始することに
よって,無過失は推定されますが,即時取得では,適法な取引によって目的物の占有を取得し
ても,無過失は推定されません。
教授売買契約により目的物の占有を取得したところ,その売買契約が錯誤により無効であった場合に
ついてはどのように考えていますか。
学生エ短期取得時効では,売買契約が有効である必要はありませんが,即時取得は,売買契約が錯
誤により無効となった場合には成立しません。
教授目的物の占有取得の態様についてはどのように考えていますか。
学生オ短期取得時効では,目的物の占有開始が取引行為によるものに限られることはありませんが,
即時取得では,目的物の占有取得は取引行為によるものに限られています。
教授権利取得の効果についてはどのように考えていますか。
学生カ短期取得時効では,権利取得の効果は,時効の成立によって目的物に対する権利を原始的に
取得しますが,即時取得では,取引行為によって目的物の占有を取得しますので,目的物に対
する権利を承継的に取得します。
1.アエ2.アオ3.イウ4.イエ5.オカ