〔No.50〕

刑法第230条の2第3項の名誉毀損罪における事実証明に関し,AないしCの見
解があるとして「新聞記者甲は,某県土木部長が土木業者に賄賂を要求した旨のう,
わさを聞き,これを記事にして新聞に掲載したため,名誉毀損罪により起訴され
た」という事案におけるⅠないしⅢの場合において,甲を名誉毀損罪で処罰できる。
組合せとして正しいものはどれか。
A 名誉を毀損する事実が真実であるときには行為の違法性が阻却される。
B 名誉を毀損する事実の摘示が,合理的根拠に基づく場合には違法性が阻却される
が,合理的根拠に基づかない場合には,事実が真実であることの証明がなされたと
きに限り処罰が阻却される。
C 名誉を毀損する事実が真実であることの証明がなされたときには処罰が阻却され
るにすぎない。
Ⅰ 甲は,ろくに取材活動を行わず,軽率にうわさを信じて記事を掲載したところ,
名誉毀損罪の裁判でも記事の真実性が証明されなかった。
Ⅱ 甲は,ろくに取材活動を行わず,軽率にうわさを信じて記事を掲載したが,名誉
毀損罪の裁判では記事の真実性が証明された。
Ⅲ 甲は,うわさの真偽について徹底した取材活動を行い,その結果得た確実な資料
に基づき,うわさを真実と信じて記事を掲載したが,名誉毀損罪の裁判では記事の
真実性が証明されなかった。
1.A・Ⅱ 2.A・Ⅲ 3.B・Ⅰ 4.B・Ⅲ 5.C・Ⅱ