〔No.43〕「甲は,乙を殺害するため,けん銃を撃ち,弾丸が乙に命中するとともにその背後
にいた丙にも命中し,乙は負傷したにとどまったが,丙は死亡した(ただし,甲には
丙に対する未必の殺意もなかった。)。」という事例における甲の罪責についての学
生AないしCの各見解を教授が以下のように整理した。文章の( )内に下記語句群
から最も適切な語句を入れた場合,(①)ないし(⑤)に入る語句の組合せとして正
しいものはどれか。
「A君とB君は,どちらも行為者の認識した内容と発生した事実が( )で符合し
ている限り故意を阻却しないという立場だが,A君は,乙に対する過失傷害と丙に対
する(①)の( )を認めるのに対し,B君は,乙に対する( )と丙に対する
(②)の(③)を認める。それは,甲の殺人の故意につき,A君は,あくまで(④)
を殺す意思と解するのに対し,B君は,およそ( )を殺す意思であると解するため
だろう。これに対し,C君は,行為者の認識した内容と発生した事実が( )に符合
しない限り故意を阻却するという立場に立ち,乙に対する( )と丙に対する(⑤)
の( )が成立すると解している」。
【語句群】a 客観的b 具体的c 構成要件の範囲内d 概括的故意
e 殺人未遂f 過失致死g 殺人既遂h 過失傷害
i 傷害j 法条競合k 観念的競合l 乙
m 人ひとりn 人
1.①f②e③d④l⑤g 2.①f②f③j④l⑤g 3.①g②g③j④m⑤f
4.①g②g③k④m⑤f 5.①g②g③k④n⑤g